第01話「せかい、へーわ。やっていい?」
2013年
5月
19日
日
01-10 せかい、へーわ。
「あら、やはり純白姫(プリンセスホワイト)側につくパステルガァル!は、そうやって反抗するのね」
ダークネスグリーンは再び、冷笑した。
「たーいむ! ちえり、ママに聞いてくんね! 大丈夫、すぐ戻るから!」
2013年
5月
19日
日
01-09 わっしょい
「だ、ダークネスグリーン…!」
ぱれっとは、悲鳴に近い叫び声をあげる。
ダークネスグリーンと呼ばれた緑色の不思議な女子は、宙空からフワリと着地した。頭からはウサギの耳のような、緑色の葉っぱのようなものが2つ垂れている。
2013年
5月
19日
日
01-08 とりあえず変身してみた
「みなさん、さようなら」の声が6年3組の教室に響き渡ったのが、一時間前。
いわゆる放課後の時間帯なのだが、ちえりはまだ自分の席に座っていた。見ればスポーツ刈りの男性教諭と対峙している。
2013年
5月
19日
日
01-07 忘れすぎ
「な、なんと言う追っ払い方(お ぱら かた)れすか…」
「やっつけた!」
まるで、空き巣に入られた父親が、木製のバットを振り回して空き巣を追い出し、その後、酒のつまみに夜な夜な武勇伝を語るときの表情に近いであろうドヤ顔で、ちえりはぱれっとに言った。
2013年
5月
19日
日
01-06 事故的な叫び
彼は驚いていた。
主である暗黒王(ダークネスキング)からの命令は、使者ぱれっとの動きを封じ、捕獲。そして「ダークネスキャッスル」こと彼らのアジトに連行することだ。
2013年
5月
19日
日
01-05 へんしん?
「そうだ、早く学校に行かなきゃ」
ちえりはそういって、ぱれっとの両足を掴(つか)んだまま、かけ出した。このままぬいぐるみと遊んでいるわけにはいかないと思ったのか、学校に戻ろうと思ったようだ。
「ダメれす! その前にひと仕事あるのれす」
ぱれっとがちえりに言った。その台詞(せりふ)に、ちえりは立ち止まる。
「おしごと?」
2013年
5月
19日
日
01-04 ああああああ
英(はなぶさ)ちえりの友達、羽田(はた)つぐみ。
彼女は目の前で起こっている現象について、自身の頭の処理能力が追いつかないと言う事態に見舞われていた。
2013年
5月
19日
日
01-03 中に人は、いまてん
「とりあえず、家に取ってきなよ」
羽田(はた)つぐみは、英(はなぶさ)ちえりに、もっとも常識的なアドバイスをした。
2013年
5月
19日
日
01-02 真っ白なキャンバス
「ここは、どこじゃ」
目を覚ますと、そこは昨晩までとは別の景色だった。
「彼女」の声はそういう戸惑(とまど)った感情をはらんでいるように聞こえた。
しかし、「彼女」は今まで寝ていたわけでも、目を覚ましたわけでもない。そういう感覚とは違う。
2013年
5月
19日
日
01-01 通学時の違和感
今年はまだ、気象庁(きしょうちょう)から梅雨明(つゆあ)けの発表はされていない。
それなのに、太陽はこちらの言い分を聞き入れる気配がまるでなかった。つまり、朝から暑いのだ。まだ梅雨の時期なのに。